旅情をくすぐられたモネ展

 

初の大阪中之島美術館。モネ展。生涯を通じて転々とした住まいやお気に入りの旅先ごとにチャプター分けされていて新鮮だった。

オランダのザーンダムとフランスのヴェティーユは覚えておいていつか行きたい。

ザーンダムは港沿いに家が並ぶ、伊根の舟屋に少し似た町、ヴェトゥイユは花と教会のきれいな田園の村。

 

みおつくし(?)を画面の中央にドカンと置いた構図のこの作品は、浮世絵からインスピレーションを受けているらしい。

File:MB-Mon-01 Monet Der-Hafen-von-Zaandam 1.jpgFile:Toshusai Sharaku- Otani Oniji, 1794.jpg

ただ、一番印象に残った作品は、ザーンダムでもヴェティーユでもなく、モナコモンテカルロを描いた「ロクブリュヌの眺め」。木々の間からモンテカルロの街並みがのぞいた景色だが、光がいっぱい差し込んでいるのか、ぼやけにぼやけている。暗い森の中で久しぶりに光が差し込んだ時のちょっと眩しいけど嬉しいあの感覚。一枚の絵の中に光の温かさの魅力が詰め込まれていた。

File:Monet w892a.jpg

写実主義の精巧な絵画も好きだけど、やっぱり絵を見ながらいろいろ勝手に考えを巡らせられる絵画のほうが見ていて楽しい。

ピカソとかカンディンスキーとかダリとか抽象的すぎるのも面白いけど、たまにどれだけ眺めていても全くわからない時があるので、単純にみていて落ち着く印象派あたりが一番?

光の美しさを見た感動がびしびし伝わってくる感じがします。

木漏れ日が差し込む窓辺に置いて、季節や時間によって見せ方を変える絵を楽しみたい。

絵の代わりにポストカードを買いたかったけど、無かった…

自分の気に入った作品に限って売られてながち…

 

それでは。

 

 

 

 

きらきらひかる

前のブログにも書いたけど、「普通」の設定で、「よくある」恋愛の作品は経験がないのであまり面白がれない。

どんな作品の根底にもある、恋愛、家族の形が変わっている、江國香織の『きらきらひかる』はまさに自分向けの作品。

 

男の恋人がいる夫・睦月とアルコールに溺れヒステリックな妻・笑子の夫婦の物語。

睦月は、ご多分に漏れず笑子の家族から冷ややかな目で見られるけど、笑子自身は睦月とただ「ずっとこのままでいられること」を願っている。

むしろ、睦月たち(=ゲイ)を群れから外れて暮らす美しい銀のライオンにたとえているし、睦月の恋人・紺とも仲良くしている。

ここまで来ると睦月と笑子(だけ)が結婚していることや睦月と紺が結婚できないこと、もしかしたら笑子と紺が結婚していないことも不思議に思えてきてしまう。

ただ、それを除けば、彼らがとても幸せに暮らしているんだろうなと素直に入ってくる。

 

笑子はアル中になってるけど、多分笑子にとってこの生活は当たり前で、夫がゲイだからとかではなく、この家族が外に受け入れられないから、どうしようもなく酒浸りになっているんだろうな。

自分は酒を飲むと眠たくなるだけだけど、今から自分のするべきこと、しようと思っていることが途方もなく、前例もなく恐ろしいことだという思考にはまり下を向きそうなときでも、風呂に入ってすっきりすれば、現状は変わらずとも全知全能の神になった気分で、へっちゃらな感じがする。

この小説は結局何も解決しないけど、みんなで明るく笑って最後を迎えている。

 

いい意味で現実逃避できる、アルコールのような、風呂のような小説だと思った。

 

実際たくさん酒が出てきて勉強になる。

嘉代子が大好き!

大学に入ってからお笑いにかまけて、おまけに最近は鬱々としてあまり触れていなかったけど、、、

やっぱり吉澤嘉代子さんは素晴らしく愛おしいということを実感し直したので書き留めておきます。

 

シンガーソングライターの吉澤嘉代子さん、おそらくいちばん有名な曲「残ってる」はそこかしこに朝帰りの女性の思いを伺わせる詞が登場してとても素敵な曲です。「なかよしグルーヴ」(子どもたちの関係性)とか「手品」(もうすぐ恋が終わりそう)とかこの世界の日常的なことを、決してきれいに見えなさそうなものでもカッチョいい言葉遣いとメロディに乗せているのも好きです。

 

何か誰もが心のなかに持っている"乙女"の部分を刺激されている気分になります。

 

もっと自由な想像世界が舞台の曲も大好きで、「サービスエリア」や「ルシファー」を聞いていると一瞬現実世界の自分を離れてしまえるような気さえします。現実世界によく題材にされがちなこと描いたドラマや小説は自分がそういう一般的なことをしてこなかったし、できないので窮屈ですが、小説が少し現実離れしていたり子供時代の話だったりするとすっと入ってきて優しい気持ちになります。まさに吉澤嘉代子さんの楽曲はそういうところが好きです。

 

「抱きしめたいの」や「23歳」などで時折はっと我に返り自分のことを見つめ直しては、「恥ずかしい」や「ひょうひょう」などその弱さと葛藤し、かなり変わっていて優しい人です。

 

言葉を大切にしているところも大好きで、「綺麗」という曲にでてくるフレーズ「きらきら」が「ぎらぎら」、「ぴかぴか」が「びかびか」に曲の前後半で変わるところは初めて聴いたときに唸りました。一番好きな曲です。

 

「泣き虫ジュゴン」など妄想や想像の世界の曲も多く、本人は自分とは違う人格のことを歌っていると語っているけど、どの曲にも一か所は嘉代子さん本人の弱みや苦しみが見える歌詞があって、でも物語は異世界だから現実から遠く離れた気持ちのままで救ってくれる、共感できる。様々な世界を舞台に解決策を見せてくれる、という感じです。

 

ヤバイTシャツ屋さん」も好きだけど、あっちは本当にしょうもない日常を明るく盛り上がるように歌っていて、歌詞の意味は深読みしても(たいてい)意味がなく、ただ面白い。それに対して吉澤嘉代子はすべての歌詞の意味を深く知りたくなる、ひたすら独自の世界観で本当はわけが分からないはずなのに美しい言葉の表現や七変化する歌声のおかげでついていける。

 

小説のような歌だと思います。小説は文字だけだけど、吉澤嘉代子の歌になってちょっとした言葉の選び方や歌声の色が加わることでもっとわかりやすい、しかし独特な物語になっている。やっぱり”ノリ”で聞くヤバTと違って、まさに詩とか小説を読むように何度も聞きなおして意味を確かめたくなります。

 

(ヤバTも100%ふざけているように見えて、たまに「サークルバンドに光を」とか各アルバムの”Tank-top”がつくリード曲シリーズなど、その皮をかぶった本音があったりするからグッとくるのもあります。逆に嘉代子さんも「麻婆」とか「ケケケ」とかボーッと聴いていても特に何も引っかからなさそうな曲もあります。なんにせよバランスが大事)

 

4月にホールツアーもやるみたい、行かねば。

ヤバTのライブにも行って全然違う人種とも触れ合ってみたいと思いました。

以上、備忘録でした。

それでは。

 

 

 

 

 

 

大阪最新トレンドスポット

長い旅から帰ってまいりました。お久しぶりです。

今日は大阪最新トレンドスポット、もとい、超ひねくれ大阪おすすめスポットを2か所紹介します。

 

①西淀川のリトルカラチ

阪神本線千船駅近くにある巨大なイスラム礼拝施設・大阪マスジド。

金曜昼間の礼拝の時間はごらんのとおり大混雑です。

礼拝する人たちの多くはパキスタン人で、近くにわんさかパキスタンレストランがあるので、このあたりのエリアを私は勝手に「リトルカラチ」と呼んでいます。

パキスタン人イケメンがなにかほしそうにこちらをみている

マスジドは別にムスリムじゃなくても入れそうでしたが、信仰0の自分が行くのはどうかと思い外観だけ。お目当てはマスジド目の前の「大阪ハラールレストラン」。

毎週金曜日だけのビュッフェ、ワンドリンク付きで1500円。

礼拝終わりの人たちが雪崩れるように入ってきて大混雑。

生の「アッサラームアライクム」を大量に浴びることに成功しました。

プロは流れるような速さでこの長めのセリフを放ちます。

料理はビリヤニ、マトンカレー、著しく甘い米のデザート・ザルダなど、

ハラルといえどもカロリー高めの満足なものでした。

最近、月曜から夜ふかしに出てました!

神戸ー大阪移動の寄り道にぜひ。

 

舞洲の清掃工場

観光スポットらしからぬ漢字四文字と観光スポットらしい写真が並びました。

万博開催地・夢洲の隣にある島で交通の便が悪いので、ぶっちゃけこれだけのために行くような場所ではないです。

清掃工場らしからぬ見た目はまさに清掃工場=汚いというステレオタイプを払拭するためらしいです。

川を挟んだUSJと間違えてくる人もいるとかいないとか…

個人的にはユニバというより子供のころおじいちゃんに連れて行ってもらった大阪天満のキッズプラザ大阪に似ている。

夢の遊び場です

 

以上、大阪最新トレンドスポット2選でした!

それでは。

 

 

 

 

 

足立さんとグラッパ

サイゼリヤの新商品「グラッパ」を試してみた。

アルコール度数40%の酒で、ワインの搾りかすから作ったものらしく、そこまで酒好きではないが300円だし、おそらく飲み切るのにかなりの時間がかかりそうで他の人と来た時に頼むとあれなので、一人で来た機会に挑戦。

奥のワイングラスに3分の1ぐらいのやつ。ムール貝とかおつまみ系を頼むのも初めて。

この日は一日中日雇いのバイトをしていて、一緒だった足立さんに凄くよくしてもらった。

足立さんには今年就職した息子がいて、旦那の転勤で九州から関西に来ている…など色々と教えてくれた。

お互いほぼ初めての現場でいろいろ教えあっていたら凄く感謝されて、ミスドを4つと五百円玉を頂いてしまった。

育ちが良い、と言われた。
大分年上の女性に好かれる自覚はかなりある。

 

というわけで、休憩中にミスドを食べたので、食べ物はムール貝と青豆だけ注文。

事前にグラッパについてちょっと調べていて、ドリンクバーと混ぜて飲むべきとの知見を得ていたので、ドリンクバーも注文。色々混ぜて飲んだので、せっかくなので自己評価をまとめておきます。

 

エスプレッソ:〇

これは本場イタリアでも「カフェ・コレット」と呼ばれて親しまれている飲み方らしいので真っ先に実践。

グラッパには干葡萄のような濃い葡萄の香りがあって、エスプレッソにフルーティーな香りが加わっていいのですが、あまり味の変化は分からなかった…

普段エスプレッソ(というか珈琲)をあまり飲まないからか、砂糖を入れる加減を間違えたのか、グラッパをあまり感じませんでした。

とはいえ普通に美味しいエスプレッソなので〇。

 

カプチーノ:◎

エスプレッソには砂糖を入れるのに対してカプチーノには牛乳が入っていて、グラッパはどうやら砂糖には負けるけど牛乳とは相性がいいみたい。

珈琲の苦さが既にエスプレッソでまろやかになっているうえにグラッパのおかげでさらに中和されて、あまり珈琲を飲まない自分には最適でした。

 

③白ぶどう:◎

もともと原材料がおなじなので、合わないわけはないと思っていたが、ドリンクバーの安物(失礼)のぶどうジュースにグラッパが合わさると高級感が増した感じがして非常に美味でした。

ちなみに山ぶどうに混ぜてみたら、混沌として微妙でした。

 

ダージリン:〇

ティーバッグのダージリンにも混ぜてみました。

おそらく(≒知らんけど)紅茶の香りがグラッパとの親和性が高く、香りは個人的に一番でした。

珈琲よりも紅茶の方がオレンジティーとかフルーツフレーバーのものが多いから、もともとフルーツの香りは紅茶の方が合うのかも?(知らんけど)

グラッパはアルコールだけでなく味も濃いので、香りだけでなく味の深みも出たような気がした(知らんけど)。

 

⑤緑茶:△

ある程度まではいい匂いの緑茶という感じでアリ。

味の変化を求めて入れ過ぎると一気に訳が分からない味になりました。

 

⑥水割り・ロック:✕

薄くしたらいいってもんじゃない。

 

⑦そのまま:✕

一応ストレートでも飲めるものなのですが、喉が熱くなるだけで味は楽しめない。

 

番外編・ムール貝のガーリック焼き:◎

ちょうどアルコールが蒸発されてうまい!

 

普段どんな酒でも一杯飲んだら明らかに酔っぱらうんですが、今回は色んな飲み物に入れてちょびちょび飲んでいたので全く酔わなかった。新発見。

 

とはいえ、30mlのグラッパはなかなか無くならず、カプチーノエスプレッソは3杯ずつ、書いていないものでもコーラやジンジャーエールなど十数杯はドリンクバーを飲んだので、たかだか30分弱の帰りの電車もかなりきつかったです。

結局サイゼには2時間強いました。

ムール貝と青豆とグラッパとドリンクバー1100円で2時間酒を堪能出来てよかったですが、次頼むときはもう少し対策してきて早く帰れるようにします。

 

それでは。

味噌汁

昨日は昼と夜に外食をした。

節約家というか金使い恐怖症のような自分にとってはなかなかないこと。

旅先以外ではあまり金を使いたがらない。

 

昼はすき家

王将に行こうと言われたけれどケチってすき家に。

プラス百何十円かでサラダ・味噌汁セットにできるけど、ただの牛丼並盛。

ねぎだくが無料なのが吉野家にたいする大きなアドバンテージのような気がする。

 

夜はまず松屋の前を通りかかったけれど、みんながいるのでスルー。

松屋すき家と同じ値段で味噌汁がついてくるから昼松屋にすればよかった。

行きついたのはフードコートの天ぷら屋さん。

天ぷら定食と天丼があって、主な違いは味噌汁の有無。

100円安い天丼にした。

 

何回かチャンスはあったけど、今日は味噌汁を全部断ってしまった。

洋食のスープとは比にならないくらい和食には味噌汁が大事な気がする。

吉野家でバイトしていた時も「並と味噌汁」と言ってくる人と比べて「並」だけの人は圧倒的に少なかった。

もしかして昨日、ちゃんとした食事を一回もとっていなかったのかも。

「一汁三菜」、せめて「一汁」は用意しておくべきだ。

罪滅ぼしに、今日は切れたまま家になかった味噌を買ってきて、久しぶりに味噌汁を作ろうと思う。

最近のあれこれ(淀屋橋、若鮎)

梅雨入りをして大雨警報でどこにも行けない中、執筆中。

ブログ1本にはならなさそうな最近のあれこれを書いておきます。

 

淀屋橋のヴェローチェ


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東京に行ったら頻繁にお目にかかるカフェ、ヴェローチェ。

関西ではあまり見かけず、神戸にはおそらく全くなさそうですが、大阪の淀屋橋に行った時たまたま見つけました。パスタセットを注文すると、フードコートで出てくるブザーを渡されました。

カフェで何か頼んだ後にその場で待っている時間が手持無沙汰だったりするのでありがたい。

2階からは中之島の川と市役所が見える都会のオアシス。

写真の下の方に見切れている船の牡蠣小屋にも一回行ってみたい(牡蠣は嫌い)。     

 

・若鮎を求めて

毎年鮎漁が解禁される今頃に発売される和菓子、若鮎。

何となく自分の中で毎年買うことになっています。

阪急の株主券があったので京都まで買いに行きました。(神戸から400円!)

市バス地下鉄1日券を買って初めての大原へ。

雨の京都でしたが、大原は逆に雨の方がいいかも。

馴染みのある賑やかな京都とは違うのんびりした雰囲気でした。

ちなみに市バス地下鉄1日券は1200円。京都市街から大原は片道530円。

往復してあと1回バスに乗れば元が取れます。

もうすぐバスだけの1日券が販売終了になるのでこれからは京都に行くたびにこのルートかも。

大原に行った後は岡崎公園の京都伝統産業ミュージアムへ。

着物や郷土玩具があって、涼しいし、無料だし、穴場。

「若鮎を買う」という当初の目的を忘れかけていましたが、最後に祇園周辺の和菓子屋さんを急いでハシゴ。5月末でまだ若干早かったからか、3軒目でようやくゲット。

最後についでに志津屋のカルネもゲットして充実の一日でした。