東北の被災地に行ってきました

この間、仙台から南下して東日本大震災の被災地を巡ってきました。

福島第一原子力発電所の近くで最近まで立ち入ることすら難しかった福島県浪江町双葉町津波で多くの人が亡くなった宮城県名取市閖上に行きました。

 


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まず関空からPeach仙台空港へ。朝7時発の便で、セールでとったので4000円くらいで買えました。

仙台空港から閖上は直線距離では近く、バスも出ていますが本数が少ないので、仙台空港から電車で一駅・美田園駅から歩きました…

約40分、そこそこの雨だったので小地獄でした…

トラックいっぱい通るし…

 


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閖上に近づくとこのような真新しい建物が姿を見せます。

土地のかさ上げ工事も終わり、新築の家が立ち並び、スーパーもあって新興住宅地のような感じでした。


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元から水産加工工場が多くあった地域らしいんですが、見たところほとんど復興していました。

「かわまちてらす閖上」や朝市といった商業施設もあって賑わっていそうです

(10時頃に行ったらまだ殆どの店はやっていませんでした…一日で何箇所も行こうとすると一箇所目はだいたいこうなります…)。

 

しかし、「震災復興伝承館」に行くと仙台空港閖上津波が襲う映像が常に流れていますし、祈念碑の前には亡くなった方々の名前が刻まれていて、同じ名字の人が何人も書かれていたら家族全員が亡くなってしまったのかなと思ってより心が苦しくなります。

過去に起こったチリ地震など複数の地震で警報が出たにもかかわらず大きな津波が来なかったことから、閖上の多くの人が逃げ遅れ、くわしい数字は忘れましたが、もとから人口7000人ほどの閖上地区で約2000人もの人たちが亡くなったそうです。

よそ者から見ればきれいな街にしか見えませんが、この街は残された人たちが必死に頑張った証なのだと実感しました。

 

閖上の工場で出来たての笹かま美味しかったです。

かわまちてらすで売ってて他の店より早くやっているのでおすすめです。

あと、閖上のスーパーのフードコートの海鮮丼も美味しそうでした。

 

トレイルセンターというのもあって、トレイルランナーやサイクリングをする人に便利そうなグッズを売っていたり地図があったりしました。

レンタサイクルもあったら完璧なんですが…
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閖上のあとは名取までバスで向かい、常磐線で福島の浪江へ。

常磐線自体震災で大きな被害を受け、全線復旧したのは2年前です。

浪江に行くまでにも停車する駅の多くは真新しく、沿線風景も新しい家やお店が目立ちました。

 

約1時間半で双葉駅に到着。名取から来ると浪江のほうが先なんですが、街中をより詳しく見るためにここからバスで浪江にもどりました。

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少しわかりにくい写真ですが、

おそらく今は使われていないであろう病院があったり、

元店舗の居抜き物件に原発関連の建設会社が入居していたり、少し特異な風景です。

あと、やっぱり人がいません。

バスはきれいで新しいし、震災後にできたコンビニなどもちらほら見えますが、やはりインフラの復旧が進んでも人々の生活は戻ってきていないように思いました。

現在浪江町は一部地域で住民の帰還が始まっていますが、まだ住民は1000人ほどだそうです。

 

ただ、人が戻ってきていなくてもそれ以外の復興、復興どころか新たな魅力づくりは着々と進んでいます。

例えば、イオンが出来ていたり、地元の相馬焼や酒を売る店や(なんと!)無印良品が入居している大きな道の駅があったり、かなり過ごしやすそうになっています。



今はまだ僅かな人口でおそらく採算も厳しそうな場所に出店するイオンと無印良品に拍手するとともに、このような最低限(以上)の生活基盤があれば今避難している町民の方々も帰ってきやすいんじゃないかなあと思いました(あと仕事があればですね!)。

 

あとは、「なみえスマートモビリティ」という取り組みをやっていました。これは町内に無数にある停留所から配車を依頼できるデマンド交通みたいなやつです。今はまだ人口が少ないからこのようなデマンド交通の実験に最適なんじゃないでしょうか。ここで成功して全国の過疎地などで活かしていけたらいいですね。日産が出資していて、今のところ誰でも無料で乗れます!

 

最後に駅前のフリースペースに行きました。

スタッフの方になみえスマートモビリティや駅裏に開発中の商業施設、これからの復興計画など色々教えてもらえるのでおすすめです。Wi-Fiと電源もあります。

次に行った双葉町は駅と役場が新築ピカピカでした。つい最近ニュースでやっていましたが、双葉町では住民の帰還がようやく始まり役場もそれに合わせて新築され業務を再開したみたいです。僕が双葉町に行ったのは少し前だったのでまだ役場は暗かったです。


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ここには福島県が作った大きな震災・原発伝承館があり、観光客にとって便利な工夫が多いなと感じました。

駅から伝承館までは2kmほどありますが、無料のレンタサイクルを使っていくことができます。この距離なら自転車でも苦にならないし、バスの時間に縛られないのでいいですね。

伝承館の隣にはこれまた大きな「産業交流センター」があり、少しハコモノ感がありますが、土産物屋やフードコート、東電などの原発関連企業が入っていて有効活用はされていそうです。

近くにある震災遺構なども含めて大規模な公園を整備する予定みたいで、まだまだ工事中でした。

 

墓石が流されて放置されている生々しい光景も

 

福島第一原発がある双葉町浪江町とは違い住民の帰還が始まったばかりで浪江よりも人の少ない町でした。しかし、そんな双葉を少しでも明るくするために、伝承館や駅前に大規模な屋外アートがあって素敵でした。

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閖上、浪江、双葉と巡った順番に復興途上でしたが、町の人々や企業が一緒になった元の状態への復興、さらに震災前になかったものをつくる取り組みを垣間見ることができました。

 

 

p.s.

この日はいわき湯本温泉に泊まりました。

浪江のフリースペースで教えてもらったメヒカリ、うまかったです。


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これは道の駅で食べた浪江焼きそば